2020年とその先の未来: データ管理

データの民主化

2020年とその先の未来: データ管理

データの民主化

2020年1月

データの質、一貫性、利用可能性、および取得可能性は、データ管理における不朽の課題です。しかし今日の事業環境において、ポートフォリオ管理と取引処理のシステムにおける運用要件のみならず、コンプライアンス担当者や経理担当者、リスク管理責任者などからの様々な需要の結果、機関投資家にとってその全ての重要性が高まっています。データ量の増大や、既存のものとは異なるデータや非構造化データソースを管理する必要性など、新たな課題が次々と積み上げられています。

 

こうした複雑に絡み合う要求による複合的な影響により、真実を語る唯一の材料を獲得するという目標にこれまで以上に達しがたい状況になっています。

 

データ管理を最優先課題にする

 

機関投資家は、自己の投資判断に際し、時宜にかない、透明性が高くかつ信頼できるデータをこれまで以上に求めています。大規模なアセットオーナーであるお客様の多くが、複数のアセットサービシング会社やテクノロジー会社と契約をしていることが分かりました。こうしたマルチプロバイダーモデルは、リスク分散には有用ですが、データの集約という観点から見ると難題を生みます。複数のプロバイダーからのデータを標準化して保管し、情報に基づき知的な活動を即座に行う単一データソースを創造するという概念の重要性が増しています。

こうしたニーズへ対応するために、BNYメロンのデータ分析ソリューション部門は本分野における先駆的能力を拡張し、お客様が自らの事業を簡素化・再構築し、お客様自身の顧客に対しより効率的なサービスを行うことができるようにするためのデータ駆動型のモジュール式ソリューションを提供しています。データ分析ソリューションは、企業の主要投資プロセスその他の管理に役立つ、自己およびサードパーティのビジネスアプリケーションから成るエコシステムへのアクセスを提供しています。



データ管理の将来を形成する4つのトレンド

 

5. 戦略と意思決定を強化する民主化されたデータ

非構造化データが主流になるにしたがい、従来とは異なるデータや非構造化データが従来のデータソースと結合されるケースが増えると考えられます。そして、質の高い多種多様なデータ利用が容易に入手できるようになる結果、データが金融機関におけるあらゆる意思決定の土台となるという期待が生まれるでしょう。

こうしたデータ依存の土台となるのが、データソースやデータの正確さに関する詳細を含みエンドユーザーも利用できるデータ品質指標になると考えられます。これをサポートするAPIには、データペイロードやメタデータ、データの信頼性に関する指標が含まれることになるでしょう。

 

6. データ駆動型イノベーションにより再考される道のり

データセットへのアクセスの拡大に伴い、エンドユーザーは、差別化を創造できる高度に設定可能な拡張可能型データプラットフォームを要求するようになるでしょう。

 

身体的・行動的生体認証とサイバーセキュリティ技術が進化する結果、高度な予測モデルが開発され、エンドクライアントのユーザー体験が向上すると考えられます。

 

絶えず改善される学習ループを通じて、次の動きを予想し、オプションを最小化するなど操作性の面で著しい進化が実現されるでしょう。ユーザーは、必要な管理は維持しつつITの世話になることなくデータにアクセスできることを期待するようになるでしょう。身体的・行動的生体認証とサイバーセュリティ技術が進化する結果、高度な予測モデルが開発され、エンドクライアントのユーザー体験が向上すると考えられます。

 

7. オープン・データエコシステムに伴う投資ドメインの成長加速

機械学習や、データを特定し、その価値を高め、他のデータと結合し、意思決定の貴重な材料にする自動化手法により、業界関係者間での自動手法によるデータ交換がシステム上で劇的に増加するでしょう。


データサイエンス研究所が急増し、そしてAI業界間の連携文化が広がるにしたがい、データ管理アプリケーションに関するイノベーションのペースは加速することが見込まれます。


機関投資家は、オープンなデータエコシステムを通じてでなければ不可能な改善やイノベーションが相次いで実現することを期待するようになるでしょう。研究組織は、新しい知見の源を活用するために、従来型のミドルオフィスやバックオフィスのプラットフォームと連携するようになると考えられます。

 

8. 広範なデータセットへアクセスを与える形式化されたデータ利用規則

地理的境界をまたぐデータの共有に伴い、コンプライアンスの検討が一層重要になり、国際標準への収斂が急き立てられると見込まれます。個人投資家について確立している既存の規則が機関投資家ユーザーにも準用される見通しです。

機関投資家は、より広範に及ぶデータセットへのアクセスを得るために、形式化されたこうしたデータ利用規則を受け入れるでしょう。業界団体や規制当局もまた、オープンな金融システムを一段と促進する取り組みにおいてこうした変化を支持するものと考えられます。

 

データ需要の増大は業界におけるトレンドの一つです。顧客はコスト管理、リスク制御、より効率的な商品の販売に資する、優良で、高速かつ精細なオペレーショナルデータを要求しています。データの拡散が即時的 (デイリーのみでなく、リアルタイム)になるにしたがい、その関連性はバリューチェーンを運用部門からリスク・分散・ポートフォリオ・財務機能へ高めています。

BNYメロン
アセット サービシング
グローバル ヘッド オブ クライアント カバレッジ
エミリー・ポートニー

 

未来対応型のデータ管理基盤は2つの重要な特性を必要とし、これらなくしてその完全性と有効性は実現できません。すなわち、信頼できる単一の情報源と、開かれたエコシステムが備わっている必要があります。

 

BNYメロン
アセットサービシング
アジアパシフィック代表
ローハン・シン

 

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