2020年とその先の未来: オルタナティブ投資

主流になりつつある

2020年とその先の未来: オルタナティブ投資

主流になりつつある

2020年1月

オルタナティブ投資はここ30年で成熟化が進み、投資家と規制当局の双方から注目され受け入れられるようになり、今や主流の投資になりました。



2018年12月、オルタナティブ業界の資産運用残高(AUM)は9兆 5,000億米ドルに達しました(ヘッジファンドが3兆4,500億ドル、プライベートキャピタルが6兆500億ドル)。プレキン(Preqin)社は、アセットオーナーがボラティリティを抑えるために引き続きポートフォリオを分散し、そしてリターンを増やすための新しい手法を模索するなか、この数字は2023年には14兆米ドルに膨れ上がると試算しています。

オルタナティブ投資環境の概観

2018年12月、プライベートキャピタル用の待機資金は2兆1,100億米ドルありましたが、利 用可能資金に占めるアジア向け資金の割合が安定して上昇しています。2006年、待機資金 の総額に占める同地域の割合は9%でしたが、2018年にはこの数字は2倍の18%にまで跳 ね上がりました2。プレキンによると、投資家はオルタナティブ投資の運用成果について依然強気ですが、今後についてはそれほど楽観的でない様子です。エクイティの高いバリュエーションと巨額の待機資金から、エクイティのバリュエーションがピークに達しつつあ り、相場の下落が差し迫っているという懸念が多くの投資家のあいだに広がっていること がうかがえます。ヘッジファンドは期待外れの資産クラスとみなされつつある一方で、投資家はこれらの商品が、変動が激しく、場合によっては下落局面にある相場を切り抜ける可能性があると見ています。オルタナティブ投資業界の成熟化が進むにしたがい、4つのトレンドが形成されると考えられます

 

9. まもなく優位に立つプライベートエクイティ

資金調達は減速していますが、プライベートエクイティは、マイナス金利環境にあることを鑑みると、そのリターンは機関投資家にとってはやはり魅力的です。プレキンのデータによると、プライベートエクイティのAUMは2023年までに58%増の4.9兆米ドルに達し、4.7兆米ドルに達すると試算されているヘッジファンドを抜いて最大のオルタナティブ資産になる見通しです。

不動産、インフラ、およびプライベートデットは、力強いリターンを生んでおり魅力的な資産としての地位を保っています。AIやビッグデータ、ESGの活用が、運用報告に関する透明性と詳細度の向上を求める投資家のニーズを満たすのに役立つことが期待されます。また、医療やフィンテック、そしてAIが、ベンチャーキャピタルが次のターゲットとして期待している分野です。

 

 

10. デジタル化の成功が期待される不動産

今後、デジタル資産のインパクトはプライベートマーケット全体で観察されると考えられますが、その程度は特に不動産において大きくなることが予想されます。この転換は、資本が投入される形をよい方向へ根本的に変えるものであり、透明性および流動性の向上とリスク管理の強化が期待されます。

デジタルイノベーションは不動産業界のニーズに応え始めており、ブロックチェーンなどは、いわゆる「プロプテック(不動産テック)」テクノロジーの中で最も話題になっているテクノロジーの一つです。トークンの作成と売却を通じて不動産資産をデジタル化するというプロセスにより、不動産のオーナーやデベロッパーは、従来の資本調達プロセスに内在する障壁が原因で以前までは利用できなかった国内外の市場へのアクセスを獲得することが期待されます。

例えば、流通市場で取引できる不動産ファンドへのリミテッドパートナーの出資をトークン化すれば、多様な流動性の選択肢を得ることができ、個人投資家とも繋がることができるようになります。

 

 

 

11. オルタナティブ投資の注目スポットとして台頭する新興アジア

プレキンのヘッド・オブ・アジア・セールス、アジャイ・ナラン氏によると、東南アジアと中国がグローバル投資の主要対象地域となるなか、今後5年間で中国がオルタナティブ投資の主要資金源として浮上することが見込まれます。

東南アジアを含む新興アジアは、道路や橋、病院、発電所など基盤インフラを必要としています。そうした資産にはこれまで、政府や、アジア開発銀行などの国際機関が資金を供給してきました。これらの資金源の重要性に変わりはありませんが、この地域の需要を満たすには、それだけではもはや十分ではありません。そこで、公的資金における溝を埋めるために民間資本が登場します。

 

中国市場へアクセスし、中国で事業を立ち上げたいという意欲が米国のオルタナティブ資産運用会社のあいだで高まっています。

オルタナティブ投資運用協会
(Alternative Investment Management Association)
マネージングディレクター兼アジア太平洋共同責任者
ミカエル・ブゲル

 

12.  新たな透明性レベルに向かうプライベートクレジット

多角的協調 (シンジゲート)レバレッジドローンにしろプライベートローンにしろ、ローンへの投資が投資業界において急速に拡大しています。オルタナティブ・クレジット・カウンシル(ACC:Alternative Credit Council ) によると、2018年末現在プライベートデット資産は7,680億ドルにのぼり、10 年で223%の伸びを達成しました。銀行が貸出業務を縮小させるなか、クレジ ット運用会社が需要に応えることを引き受けました。さらに、機関投資家は、魅力的なリターンとリスク特性を発揮しているプライベートクレジットへの配分を増やしています。ケンブリッジアソシエイツによると、プライベートクレジットは、ここ5年で8.75%、ここ20年だと 10.42%の平均年率リターンをはじき出しています。

この市場が今後も成長するには、透明性に対する規制当局および投資家の要求に運用会社は応える必要があり ます。ACCがこのほど実施した調査に協力した回答者の82%が、透明性と報告は投資家との利害の一致を実現するうえで最も重要な要素の一つであると答えました。

標準化された総合的な分析を用いてポジションを正確に測定する能力は、競争の激しい市場で運用会社が他社との差別化を実現するのに役立ちます。ただそのためには、タイミングやリストラクチャリング、そして基本的に会計システムと一体ではないローンのトラッキングに関する問題に取り組む必要があります。

各種ツールやテクノロジーへの正しい投資を、自社にてまたは外部サービスプロバイダーの規模を活用して行うことでクレジット運用会社は、自己のフロントオフィスが必要とし、また投資家が要求する効率的かつ正確で、洞察に富んだパフォーマンス・リスク分析を実施することができます。

 

利回りに対する欲求が増大するなか、オルタナティブ投資は、世界中で現地の微妙な差異を汲み取り適切なデータとノウハウを活用できる投資家に大いなる機会をもたらします。

BNYメロン
グローバル・ヘッド・オブ・オルタナティブ
マネージング ディレクター
アラン・フラナガン

 

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